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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第6章 第二話 【めざめ】 再会

「幸さま、幸さまじゃない?」
 その懐かしい声に、幸は思わず振り向いていた。
「弥生さま」
 何と、幸の前に立っているのは、女学校時代の親友岩田弥生であった。制服の紺絣に海老茶の袴、後頭部高くで一つに結い上げたつややかな髪にはシルクの紺色のリボン。元々背の高い弥生は少し見ない間に更に背が伸びたようである。

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