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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第6章 第二話 【めざめ】 再会

 弥生は眼を潤ませて幸の両手を取った。
「心配をかけてしまって、ごめんなさい。色んな事情があって、家に帰ることができなくなってしまったの」
 幸も眼に熱いものが込み上げてきた。いちばんの親友であった弥生には何もかもすべて話したい衝動に駆られた。だが、それはできないことだった。すべてを打ち明ければ、両親や進一郎に迷惑のかかることになる。また、逆に、弥生に累の及ぶようなことがあっても困る。

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