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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第6章 第二話 【めざめ】 再会

 親密な付き合いは続いているが、まさか浩三からプロポーズを受けるとは考えてもいなかった。幸は突然の求愛に、しばらく声もなかった。だが、愕くと同時に、自分との交際が浩三にとって結婚を前提にしていると考えるほど真剣なものであったことは嬉しくもあった。
 普段からよく喋る男だが、あまりに緊張しているせいか、この夜の浩三の口調はいつものなめらかさがなく、どこかぎごちなかった。

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