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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第6章 第二話 【めざめ】 再会

 重なり合い一つになった二人の影がガス灯の光に照らされて、道に長い影を落としていた。十六夜の月が紺碧の空に美しく輝いている。降るような星が満天にきらめき、北国の浅い春の夜を彩っていた。
 やがて、浩三の身体が静かに離れ、幸の顔を愛おしむような眼で上から覗き込む。
「僕の妻になって貰えるんだと思っても、良いんですね」

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