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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第8章 第三話【波の音】 予感

「申し訳ないけれど、幸太郎に何かお八ツを上げてくれますか」
「かしこまりました」
 女中は頷くと、一礼した。
「さ、坊っちゃま。参りましょう。今日は料理人の焼いたクッキーがございますよ」
「わあ、本当? 僕、白石(しらいし)の焼いたクッキー、大好きなんだよ」
 幸太郎の眼が輝き、女中に連れられて出ていった。

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