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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第2章 第一話【空の記憶】~運命の嵐~

「船長! 大変です」
 まだ若いその乗組員は他の乗客たちには聞こえないように船長の耳許に口を近づけ口早に告げた。だが、船長の傍にいた幸には確かに聞こえたのである。
「船底がやられました。多量の海水が入り込んでいます」と!!
 刹那、船がまた、グラリと大きく傾いだ。女性の悲鳴があちこちで上がった。

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