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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第2章 第一話【空の記憶】~運命の嵐~

「皆さん、落ち着いて、落ち着いて下さい」
 船長はなおも懸命に皆をなだめようとしていたが、次の瞬間、船室のドアがバタンと大きな音を立てて開き、水が流れ込んできた。
最早、言い合いをしているどころではなかった。一瞬にして広い船室は海水に呑み込まれた。怒号と悲鳴が上がったが、それもすぐに水に呑まれ、消えた。この世の終わりかと思うような悲惨な光景が繰り広げられた。

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