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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第11章 第四話【縁~えにし~】 早春賦

 幸の暮らす小さな家の前にも庭がある。もっとも、庭と言っても、どこまでが庭でどこからが砂浜か判らないようなささやかなものだ。だが、この季節、狭い庭には撫子が淡紅色の可憐な花を咲かせていた。亡き亮平が愛した百合の花や紫陽花、釣り鐘草も見える。

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