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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第11章 第四話【縁~えにし~】 早春賦

 亮平は、いかにも海に生きる漁師らしかった。けして粗暴ではなかったが、烈しい気性であった。一見花などにはおよそ興味がないように見えたが、実は誰よりも花を愛し、庭にも様々な花を丹精していた。これらの花は皆、在りし日の亮平が手塩にかけたものである。

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