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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第11章 第四話【縁~えにし~】 早春賦

 狭い店の奥のテーブル席に向かい合って座る。
「幸太郎は何が食べたい 」
 訊ねると、即座に「アリスクリーム」という応えた。ほどなく女主人が銀の盆に乗せたアイスクリームを運んできた。
「いいの?」
 幸太郎が幸を掬い上げるような眼で見る。
「いいのよ、好きなだけお上がりなさい」

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