空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第11章 第四話【縁~えにし~】 早春賦
「それでは、その時間にお待ちしています」
美登利が丁寧に会釈して部屋を出てゆく。幸が教室の時計を見ると、五時丁度であった。
大急ぎで身の回りの持ち物を持ち、幸太郎と二人で教室を出た。幸が幸太郎を連れていったのは、村に一軒しかない食堂であった。
食堂といっても、メニューには丼物やうどん、そばといった簡単なものしかない。何か子どもの歓びそうなものはと問うと、顔見知りの年増の女主人は「蜜豆、かき氷、アイスクリーム」という応えを返してきた。
美登利が丁寧に会釈して部屋を出てゆく。幸が教室の時計を見ると、五時丁度であった。
大急ぎで身の回りの持ち物を持ち、幸太郎と二人で教室を出た。幸が幸太郎を連れていったのは、村に一軒しかない食堂であった。
食堂といっても、メニューには丼物やうどん、そばといった簡単なものしかない。何か子どもの歓びそうなものはと問うと、顔見知りの年増の女主人は「蜜豆、かき氷、アイスクリーム」という応えを返してきた。