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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第3章 第一話【空の記憶】~邂逅~

~邂逅~

 寄せては返す波がしらが白い砂を洗ってゆく。果てなく続くかとさえ思える砂浜を若い男が歩いていた。男は腕に純白の百合を数本抱えていた。波打ち際にしゃがみ込むと、花束を勢いよく蒼い海へ向かって放り投げる。
 白い花は寄せる波に呑み込まれ、ほどなく海に消え果てた。

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