テキストサイズ

空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第11章 第四話【縁~えにし~】 早春賦

 その問いに、幸太郎は大真面目な顔で考え込んだ。スプーンに乗せた最後のひと口になったアイスクリームを真剣に見つめている。
「お医者さまになりたい」
 ややあって、そんな返事が返ってきた。
「そう」
 幸は優しい眼で幼い息子を眺めた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ