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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第11章 第四話【縁~えにし~】 早春賦

 食堂を出て小学校の教室に戻る頃には、幸太郎も泣きやんでいた。
 佐伯美登利は既に教室の前で待っていた。
「遅くなって済みません」
 幸が頭を下げると、美登利は慇懃に首を振った。
「いいえ、二年ぶりにお逢いになったのですから、名残惜しく思われるのも当然のことです」

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