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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第11章 第四話【縁~えにし~】 早春賦

「女先生、電報が来とりますよ」
「どうも、済みません」
 幸は礼を言うと、小さな紙片を受け取った。トミにはもう一度読み直して清書するようにと言い、とりあえず教壇に戻って電報を開いた。
―コウタロウ、キトク。スグ、カエラレタシ。               コウゾウ

 その文面に、幸は息が止まりそうになった。

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