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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第11章 第四話【縁~えにし~】 早春賦

 幸のそれから取った行動は実に早かった。その日の授業はそれで終わりとした。残った分を宿題とし各自で家でしておくようにと指示し、子どもたちを帰らせた後は用務員に任せ、すぐに学校を飛び出した。海辺の家には戻らずそのまま最寄りの駅へと行き、列車に乗った。
 列車の中で、幸は流れる車窓越しの光景をぼんやりと見つめていた。

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