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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第12章 第四話【縁~えにし~】 白き波の向こうに 

 今日も海は変わらない。白い波が絶え間なく打ち寄せ、蒼い空がどこまでもひろがる。
白砂の浜辺を波が洗い、満々と水を湛えた蒼い海は遠くどこまでも続き、その果ては霞んでいる。はるか水平線と空の接する辺り、境界線がそこだけひときわくっきりと濃い、深い藍色をしている。
 彼方に刷毛ですっと引いたような雲がわずかに浮かんでいる。

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