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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第3章 第一話【空の記憶】~邂逅~

 不安に胸が押し潰されそうになったその時、視界の片隅がうっすらと明るくなった。まるで自分を取り巻く暗黒の世界に一条の光明が差し込んできたように思え、幸は眼を瞠る。と、意識が深い水の底から次第に浮上してくるような感じがして、これまで縫い止められたかのように身じろぎもできなかった身体が急にふわりと軽やかになった。

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