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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第15章 番外編第一話【潮騒の詩】 月夜の契り

「どうした、こんな時分に」
 亮平が愕きを隠せない様子で問えば、澪は笑顔になった。
「知りたい?」
 まるで誘うかのような顔で上眼遣いに見上げる。その表情は、男の何もかもを知り尽くしている悪女のようにも、また、全く無邪気で汚れを知らない乙女のようにも見える。亮平は澪の気持ちが判らず、混乱した。

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