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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第15章 番外編第一話【潮騒の詩】 月夜の契り

「どうして、そんな風に邪険にするの?  私は亮平さんに逢いにきたんだって言ったじゃない。それなのに、顔を見れば初めから、帰れ帰れって、そればっかり」
 澪の眼に涙が浮かんでいる。亮平はできるだけ優しく聞こえるように言った。
「来るのなら、また明日、明るい中に来いよ」
「何で帰らなきゃならないのよ? 私は今日じゃなくちゃ、いや。たった今、亮平さんと一緒にいたいの」
「澪―」
 亮平は困惑した。

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