テキストサイズ

空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第3章 第一話【空の記憶】~邂逅~

「大丈夫か、まだ動いては駄目だ」
 幸は愕きに眼を見開いて、男を見た。年は二十六、七歳くらい、陽に灼けた精悍そうな貌立ちで、男ぶりもなかなかだ。上背があり、力仕事でもしているのか、着物の上から見ても、ひとめで逞しい身体をしているのが判る。
「澪。気がついたんだな、良かった」
 男を幸を見て、嬉しげに言う。幸は小首を傾げた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ