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　織部の作品には仏画が多い。彼自身はけして仏画絵師ではないのだが、数年の空白―つまり諸国を旅して戻ってきた後、彼は仏画を描くようになっている。それが何故なのかは明らかではない。遊学中に彼の見たものの中には様々なものがあったろう。その中に彼をして仏の絵に向かわせしめるものがあったには相違ない。彼の日記の中には寺へ立ち寄ったとの記載も随所に見られるから、そうしたことがきっかけになったとも考えられる。