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　雨が烈しさを増してゆく。
　ゆっくりと伊右衛門の顔が離れ、弥生の顔を覗き込む。
「もう、離さない。ついて来てくれるね」
「―」
　弥生は幾度も頷いた。涙が後から後から溢れてくる。
　二人は固く抱き合いながら、いつまでも雨の中に立ちつくしていた。
　　　　　　　　　　　　　　　　（番外篇第二話【薔薇ものがたり】おわり）

　☆明日から番外編第三話へ　☆