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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第18章 番外編第二話【薔薇ものがたり】 薔薇の乙女 

「列車がホームを離れる瞬間、デッキから飛び降りたんだ」
「無茶はしないで」
 弥生は泣きながら伊右衛門の胸に飛び込んだ。
―あなたがいなくては、私はもう生きてはいけないから。
 言おうとした言葉は、そのまま熱い唇に塞がれ呑み込まれた。

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