テキストサイズ

空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第19章 番外編第三話【秘恋~背徳の恋~】 濁世の花

「あなたは―お寂しくはありませんか」
 織部が唐突に発した問いは、低い呟きとなって水面に落ちた。
「え―」
 光円にはその問いは届くことはなく、小首を傾げる彼女の表情は、年相応の若い娘らしい溌剌さと艶やかさがある。
「いえ、何でもありません」
 織部は小さく首を振ると、微笑んだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ