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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第20章 番外編第三話【秘恋~背徳の恋~】 睡蓮の池 

 数日前、睡蓮の池のほとりでも織部は光円には判らないことを言っていた。どうも、今日の織部の態度はおかしい。いつもは朗らかな彼がまるで別人のように暗い眼差しで、どこか思いつめたような風情を漂わせている。
 光円が織部を見つめていると、ふいにその視線に気づいた織部が視線をあらぬ方へさまよわせた。その視線は庭へと逃れ、落ち着きなくさまよう。

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