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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第3章 第一話【空の記憶】~邂逅~

 浜辺に打ち上げられていたときに身につけていた衣装も上等の着物であった。恐らくは、金持ちか貴族の令嬢だろう。育ちの良さがその物腰からも十分に窺える。良い意味での世間知らずさからくる素直さが【澪】にはあった。
「澪、いや、お前の本当の名前は何というのだろう」
 亮平の口から溜め息にも似た呟きが落ちた。

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