テキストサイズ

【裏小説】イケメン王宮~プリンセスと危険なイケメン達~

第2章 アラン篇

ジルの『手解き』を受けた翌日―…

月花は、
いつもと変わり無い朝を迎えていた。


「おはよう、月花様。
昨日はよく眠れた?」


ベッドに座り伸びをする月花に
ユーリがにっこり笑い尋ねてきた。


『…うん、眠れたかな』

(本当はあんまり眠れなかったけど……)


返事をしてベッドから降りようとすると、
ユーリが水の入ったグラスと赤い包みを
差し出してきた。


『……え?』


「夜の公務の後には、
必ずこれを飲んで欲しいんだ」


ユーリが目尻を下げ、柔らかく答えた。


「次期国王候補が決まる前にプリンセスが御懐妊……とかになったら大変だからね」


(………あっ)


ユーリの言葉に、これが何の為の薬なのか想像がついた。


「幾つかのハーブを調合して作った体に害の無い薬みたいだから、安心して」


『ユーリ…っ』


自分の体を労ってくれる言葉に、
月花の胸の内が熱くなる。


「夜伽の手解きが教育係の仕事なら、サポートするのが俺の仕事だよ。いつでも俺を頼ってね」


『うん…!ありかとう、ユーリ』


ユーリの優しさに触れ、
月花は満面の笑みを浮かべた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ