【裏小説】イケメン王宮~プリンセスと危険なイケメン達~
第2章 アラン篇
「おはようございます。
本日の予定を言いますので、
朝食を取りながら聞いてください」
食堂に来ると、
そこにはいつもと変わらないジルの姿があった。
『……はい』
テーブルにつき、
ナイフとフォークを使いながら
料理を口に運ぶ。
「本日は乗馬、マナー、
ダンスのお稽古があります。
それから……」
いつも通り今日のスケジュールを話すジルに
月花は少し拍子抜けする。
(いつものジルだ……昨夜の事は夢……?)
そう思いにふけっていると
横からジルの声がした。
「プリンセス、話を聞いてますか」
『……っ!すみません…途中から
話を聞いていませんでした……』
月花は慌ててジルに謝った。
「全く……今夜から夜の公務が始まると
言ったのですが」
ジルの言葉に月花の動作が固まる。
『夜の公務とは……もしかして……』
「ええ、お察し通りです。
よろしくお願いいたしますね」
にこりと笑ってジルが頷いた。
(昨日の今日でもう本番!?どうしよう……)
目を瞬かせ動揺する月花に、
ジルは続けて話していく。
「初めての夜の公務ですので、
プリンセスのよく知っている方を
お相手に選ばせていただきました」
『私のよく知ってる人……?』
「残念ながら誰かはまだお伝え出来ません。
まずは昼間のお稽古に集中なさって下さい」
ジルの言葉に月花は少し俯くと、
うなずいて返事を返した。
『……わかりました』