【裏小説】イケメン王宮~プリンセスと危険なイケメン達~
第2章 アラン篇
アランとの夜伽を終え、
そのままベッドに横たわっていた月花は
アランの腕の中で微睡んでいた。
見上げるとアランが静かに寝息をたてている。
『アラン…寝ちゃったの…?』
月花の呟きに反応し
閉じていたアランの両目が
うっすらと開いた。
「……ん?」
『起こしちゃってごめんね。私、プリンセスとして上手に夜伽出来たかな…?』
「は……?」
『アランが…その…シて良かったと思える夜伽が出来たのか、わからないから……』
月花の言葉に思わず顔を見下ろすと、
少し不安げな月花の瞳と視線がぶつかった。
そんな月花にアランは大きな溜め息を吐くと、
月花のおでこをぺしっと軽く叩いた。
『いたっ…』
「バーカ。恥ずかしいこと言ってんじゃねーよ///」
顔を赤らめ悪態をつくと、
月花からぱっと視線をそらした。
「お前はよくやったと俺は思うけど?」
『そうかな?』
「ただ次からは、そうやって男の前で夜伽が上手く出来たかなんて訊かない方がいいと思う///」
『どうして?』
“上手く出来たかもう一度試してみたくなる”と
本音が口からこぼれそうになるのをぐっと堪え、
アランは口をひらいた。
「とにかく、俺みたいに優しくする相手ばかりじゃないってこと、ちゃんとわかっとけよ」
『アラン…』
(そうだよね…皆が夜伽中に
優しくしてくれるとは限らないよね…)
月花は頷くと柔らかく微笑んだ。
『…うん、ありがとう。アランが最初のお相手で、本当に良かった……』
アランの優しさが嬉しくて、
月花はアランに擦りよるように身体を寄せ、
そっと瞳を閉じたのだった…
第2章 アラン篇 END