【裏小説】イケメン王宮~プリンセスと危険なイケメン達~
第3章 ルイ篇
「…ごめん、月花」
『夜伽』を終え、月花の身なりを整えたルイは
月花を膝の上から下ろすと
自分の横に座らせた。
「随分前に夜伽のことは聞かされていたんだ」
『そうなの…?』
「でも…公務という名目で…月花を抱きたくなかった」
目を細め月花を見つめるルイの腕が
月花をそっと抱き寄せる。
「でも…君が他の人に抱かれてるのはもっと嫌だった」
抱き寄せたルイの腕に力が入り
いっそう強く抱きしめられる。
ルイの身体が僅かに震えている事に気付いた月花はルイの背にそっと両腕をまわした。
『……嫌じゃなかったよ。それに』
「……?」
『夜伽の時までルイが綺麗で…ちょっとドキドキしちゃった……』
顔を赤らめて話す月花に
ルイはふっと口元を綻ばせた。
「綺麗なのは俺じゃない……」
『え……?』
「月花の方が…ずっとずっと綺麗だった……」
夜の静寂さがいっそう増すなか、
ルイの唇の温もりを額に感じ、
月花は両瞼をゆっくりと閉じていった……
第3章 ルイ篇 END