【裏小説】イケメン王宮~プリンセスと危険なイケメン達~
第1章 ジル篇
「先程は大変失礼を致しました」
ジルは後処理をすませると、
月花の身支度を整え、そう言った。
『……』
未だ放心状態にいる月花の側を離れ
ベッドから降りると、
膝まずいて月花の手をぎゅっと握る。
「ですがお忘れなく、プリンセス。
夜伽の手解きは教育係の仕事なのです」
『……』
「どうか、お許しを」
そう言うと、自身の胸に手を当て、
頭を垂れた。
『……っ!ジル、頭をあげて下さい…っ』
月花は慌ててベッドを降りると、
ジルの側に駆け寄った。
「プリンセス……?」
『私の為に頭を下げないで下さい。
私は…大丈夫ですから…』
「私を許していただけるのですか?」
『……許したわけではありません。
ですが…その…』
言葉を選びながら話す月花の顔が
徐々に赤く染まっていく。
「それは…''良かった''…と言う事でしょうか?」
『……っ!///』
徐々に染まっていた頬の赤みが一気に増す。
それはジルの問いに対し、肯定を表しているかのようだった。
「では…夜伽について
了承していただけますね?」
『えっ?!いえっ、するなんて一言も…っ』
“一言も言ってない”と続けようとした月花を尻目に、
ジルは立ち上がると不敵な笑みを浮かべて言った。
「あんなに感じていらして
まさか出来ないとは仰らないですよね、
プリンセス」
『……っ!///』
ジルの言葉に月花は心の中で呟く。
(あんな風に触れられて…感じないなんて無理だよ……)
月花は大きなため息をつくと、
その場に項垂れてしまった。
『そもそも、何で夜伽で決める
しきたりなんかあるんですかっ!』
「そうですね……身体の相性が良ければ
万事円満にいくと言うことでは
ないでしょうか」
『そんなぁ……』
第1章 ジル篇 END