【裏小説】イケメン王宮~プリンセスと危険なイケメン達~
第6章 アラン×レオ篇 ~白昼夢~
ユーリ「月花様、夕食に行こう」
にっこり笑ったユーリが月花の手を引く。
その手を握り返して
月花はそっとベッドから降りた。
すると。
『……っ』
全身がズキズキと軋む。
立っていることが出来ず、
思わずユーリの胸元に倒れこんでしまった。
ユーリ「っ…危ない」
ユーリが慌てて月花の身体を支えた。
『……』
(何…?この身体の痛み……)
ユーリに支えられたまま呆然としていると、
ユーリ「あれ?…この香り」
ユーリが月花の口元をそっと嗅ぐ。
ユーリ「昨日買ったシロップの香りがする。
もう使ってみたの?」
『……え』
ユーリの言葉に
月花の胸がドクンと鳴る。
目線をシェルフに向けると
小さな小瓶がぽつんと置かれていた。
(あれは……)
月花はユーリから離れると
シェルフに駆け寄り
小瓶を掴んだ。
瓶を持つ手が震え
心臓の音がどんどん大きくなっていく。
(もしかして……)
蓋を開け
瓶を逆さまにした。
しかし、
一滴のしずくがぽたりと落ちただけで
中身は空だった。
(夢じゃ…ないの……?)
第6章 アランXレオ篇~白昼夢~ END