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ナーバス BREAK DOWN

第1章 フラッシュバック

しばらくは余韻に浸りながら抱き合い横になっていた。

道臣は、真実が微睡んできたのを見て身を起こす。

「真実、風呂いく?」

道臣の問いに真実は首を振る。

「…動けない」

「だろうね」と笑いながら道臣はベッドを降りてバスローブを羽織ると、バスルームへと向かった。

ものの数分で戻ってきた道臣の手にはお湯で濡らしたフェイスタオルと着替えがあった。

「まだ寝ないで。拭いて着替えからだよ」

けだるげな真実に声をかける。

「ん…」

真実がノロノロと身体を起こすと、道臣が暖かいタオルで拭きはじめた。

自分ですると言ってもきいてはもらえそうもないのでそのまま甘える事にする。

(やっぱり過保護だなぁ)

上から下へ拭き浄め、その後から触れるだけのキスを落とされた。

真実の口からクスクスと笑いが漏れる。

「何?」

道臣は顔を上げた。

「くすぐったい」

「もう終わるから我慢して」

最後まで拭き浄めてもらって最後を額にキスを受ける。

Tシャツとボクサーパンツを渡されノロノロ身に着け横になると、道臣が上掛けを掛けた。

「おやすみ。真実」

そう言って道臣はギシリと音を立ててベッドを降りる。

「おやすみなさい…」

返ってきた真実の返事は、半分欠伸交じりで道臣の笑いを誘った。

浴室へ向かおうとドアを開け、もう一度真実を振り返るといつものように猫みたいに背中を丸め眠りに就いていた。

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