ナーバス BREAK DOWN
第2章 解逅
道臣はシャワーを浴びながら昔を思い出していた。
久しぶりにフラッシュバックで失神した真実をみて、付き合い始めの頃を彷彿としたせいだろう。
真実との最初の出逢いは道臣の大学時代の友人である相馬と、真実の姉の万里子の結婚披露宴の席だった。
後に尋ねると真実は結婚式で会った事を覚えていないと言う。
言葉を交わしたわけでもないから仕方ない事だった。
しかし道臣は自分の席から見える新婦の親族席に座っている白皙の美少年がひどく印象的に思えた。
〈新婦弟 木田 真実〉
思わず席次表を確認してしまう。
(真実…マサミか…)
白い肌、艶やかな黒髪、整った顔立ち、隣にいる父親と比較すると華奢に見える。
有名名門校の制服をきちんと着込んでいる真実に目を向けながら道臣は思った。
(確かあそこは男子校だったはず。あの容姿じゃ大変だろうな)
きっとすごくモテるだろう。
無理強いする奴だっているはず。
守ってくれる人はいるのだろうか?
そこまで思考を巡らせてふっと苦笑をする。
(僕が心配する事じゃないか…余計なお世話だな)
ぐいっとグラスのビール煽る。
つかさず隣の席の友人がグラスにビールを注いできた。
「なぁ、新婦の友人席全員女子大生なんだって」
「あぁ、相馬の相手19才の女子大生だからね」
相づちをうちながら、友人のグラスにビールを注ぐ。
新郎の友人席は皆三十路前のほぼ既婚者だった。
「くそぉ、犯罪だな!この結婚式あと5年早くして欲しかった!」
(5年早かったら中学生だから。本当に犯罪)
悔しがっている友人をみて、道臣は笑いながら心の中でツッコミを入れた。
久しぶりにフラッシュバックで失神した真実をみて、付き合い始めの頃を彷彿としたせいだろう。
真実との最初の出逢いは道臣の大学時代の友人である相馬と、真実の姉の万里子の結婚披露宴の席だった。
後に尋ねると真実は結婚式で会った事を覚えていないと言う。
言葉を交わしたわけでもないから仕方ない事だった。
しかし道臣は自分の席から見える新婦の親族席に座っている白皙の美少年がひどく印象的に思えた。
〈新婦弟 木田 真実〉
思わず席次表を確認してしまう。
(真実…マサミか…)
白い肌、艶やかな黒髪、整った顔立ち、隣にいる父親と比較すると華奢に見える。
有名名門校の制服をきちんと着込んでいる真実に目を向けながら道臣は思った。
(確かあそこは男子校だったはず。あの容姿じゃ大変だろうな)
きっとすごくモテるだろう。
無理強いする奴だっているはず。
守ってくれる人はいるのだろうか?
そこまで思考を巡らせてふっと苦笑をする。
(僕が心配する事じゃないか…余計なお世話だな)
ぐいっとグラスのビール煽る。
つかさず隣の席の友人がグラスにビールを注いできた。
「なぁ、新婦の友人席全員女子大生なんだって」
「あぁ、相馬の相手19才の女子大生だからね」
相づちをうちながら、友人のグラスにビールを注ぐ。
新郎の友人席は皆三十路前のほぼ既婚者だった。
「くそぉ、犯罪だな!この結婚式あと5年早くして欲しかった!」
(5年早かったら中学生だから。本当に犯罪)
悔しがっている友人をみて、道臣は笑いながら心の中でツッコミを入れた。