ナーバス BREAK DOWN
第2章 解逅
新郎新婦がお色直しに席を外したので、道臣もメールチェックやお手洗いのために席を立った。
戻ろうとロビーを横切ると、廊下の隅の喫煙コーナーで和装からタキシードにお色直しした新郎が一服していた。
「よっ、色男」
道臣が近づいて声をかけると相馬は顔を上げ笑った。
「嫁さん待ち?」
相馬は「あぁ」という返事をして煙を吐いた。
「打ち掛け姿で友達と写真撮ってたから、時間がかかっているんだろう」
道臣は「ふーん」と頷きながら相馬の向かい側の壁にもたれスラックスのポケットに手を入れた。
「随分とオーソドックスな披露宴にしたんだな」
道臣が率直な感想を言って、相馬が苦笑する。
「僕に相談してくれれば、もっと若い女の子が喜びそうなプランたててやったのに」
道臣は大学時代のイベントサークルを経て、卒業後その仲間とイベント企画会社を立ち上げていた。
流行りのレストランウェディングのノウハウだって持ち合わせている。
「社長…彼女のお父さんの希望通りにしたんだ。彼女もそれでいいって言うし、俺は特に要望もなかったから」
相馬はそう言って短くなったタバコをもみ消す。
「それに」
そう言葉を切って相馬は胸ポケットからタバコを取出し火を着けた。
戻ろうとロビーを横切ると、廊下の隅の喫煙コーナーで和装からタキシードにお色直しした新郎が一服していた。
「よっ、色男」
道臣が近づいて声をかけると相馬は顔を上げ笑った。
「嫁さん待ち?」
相馬は「あぁ」という返事をして煙を吐いた。
「打ち掛け姿で友達と写真撮ってたから、時間がかかっているんだろう」
道臣は「ふーん」と頷きながら相馬の向かい側の壁にもたれスラックスのポケットに手を入れた。
「随分とオーソドックスな披露宴にしたんだな」
道臣が率直な感想を言って、相馬が苦笑する。
「僕に相談してくれれば、もっと若い女の子が喜びそうなプランたててやったのに」
道臣は大学時代のイベントサークルを経て、卒業後その仲間とイベント企画会社を立ち上げていた。
流行りのレストランウェディングのノウハウだって持ち合わせている。
「社長…彼女のお父さんの希望通りにしたんだ。彼女もそれでいいって言うし、俺は特に要望もなかったから」
相馬はそう言って短くなったタバコをもみ消す。
「それに」
そう言葉を切って相馬は胸ポケットからタバコを取出し火を着けた。