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近くて遠い

第21章 近くて遠い

「社長の気持ち、分かりますよ。あなたといるととても落ち着く…」


どうしてそんな言葉を言うのだろう。


戸惑って、何が正しいのか分からなくなる…



「ありがとう…ございます…」


もどかしい。


ずっと会いたかった彼は今私の目の前にいる。


なのに、

恐怖から、それを伝える事が出来ない。



いや、
それだけじゃない…

もっと大事な事がある…。



今の私は

光瑠さんの──要さんにとっては社長の婚約者で…


会いたかったなんて、そんな事を伝えたって何もならない…



彼は

こんなに──



こんなに、

近いのに


とてつもなく


遠くにいるのだ──

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