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え………？



「外に出るならもう少し厚着をしろ。」



聞きなれた低い声に私は目を開いた。


肩には上着がかかっていて、安らぐ香りがする。



「光瑠さん…」



光瑠さんは少し疲れた顔をして、ドカッと私の隣に座った。


長い足を大きく組んで、ふぅ、と息を洩らしている。


「し、仕事は…？」



「んー、あぁ、ちょっと時間が出来た。」



光瑠さんは私を見ずぶっきらぼうにそう言った。



「古畑に聞いたら、ガキと庭に出たって。
こんな寒いのによく外に出ようと思うな。」



ふぁ…と欠伸をする光瑠さんを私はじっと見つめてた。




会いに来てくれた…


それがとてつもなく嬉しくて、言葉にならない。



ここ最近はずっと寝室でしか会ってなかったから、
明るい中で光瑠さんを見るのは久々で、

なんだかいつもよりかっこよく見える。



黙っている私の肩に光瑠さんが腕を回して身体を引き寄せた。



「眠い！」



それだけ力強く発した光瑠さんが面白くて、私はクスクスと笑った。



「お疲れ様です…」



そう言いながら見上げようとすると、光瑠さんが私の頭に顎を乗せた。



「会社の社長がこんなに動いてるのは珍しいだろうな。」



少し自慢気な声が響いて、私は再び笑いながらそうでしょうね、と言葉を返した。