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「ひかるだぁぁ！！」



と隼人と声がして、

私と光瑠さんはビクッと身体を振るわせながら目を開けた。


「ひかるー！久しぶりっ！あそぼっ！」



「ちょっ…！離せ小僧！」


グググと腕を隼人に引っ張られて、光瑠さんが身体のバランスを崩す。


「ねぇー早くー！」


「はっ、隼人！」


私が止めようとするのも聞かずに隼人は目を輝かせて光瑠さんの腕を引っ張った。


「おいっ！ふざけるな！
なんで俺がお前と遊ばなきゃいけないんだっ！」



「いいからぁーー！」



チッと舌打ちをしながら、８歳児相手にイライラしている光瑠さんが、少し面白くて私は口元を手で覆った。



「俺はガキが嫌いだっ！」

光瑠さんはそう言い放ってブンと隼人を振りきった。


「わぁっ」


その反動でよろけた隼人がステンと転んで、みるみるうちに目に涙を浮かべ出した。


「っ…」


光瑠さんはそんな隼人の様子に明らかに動転して、目を泳がせている。


あぁあ…


まずいなぁ…なんて思いながら隼人を見ていると

案の定、隼人は


「おねーちゃーん！」



と叫び、涙を流して私の胸に飛び込んできた。



「はいはい…」



あきれながら、隼人を抱き締め返して頭を撫でていると、光瑠さんがそんな隼人を見ながら顔をひきつらせていた。


あなたが泣かせたんですよ、


と軽く目配せを光瑠さんにすると、光瑠さんはまた困った顔をしてチッと舌打ちをした。



「ひかるがー！ひかるがー！」


隼人はそう泣きながら、ぎゅうぎゅうと力を強めて抱き締めてくる


「分かったから…男の子でしょ？泣かないのっ！」


そう言って宥めると、

大きく上がっていた声が次第に落ち着いてくる。


やれやれ、

と思いながら、私はゆっくりその小さな背中をさすっていた。



「俺は悪くないっ！こいつが──」



「わぁぁーん！」


光瑠さんの声にまた隼人が反応して声を上げて泣き出した。