テキストサイズ

近くて遠い

第23章 信頼関係

「チュウしてっ!」


「はっ?」


突然の弟の言葉にビックリして真希が声をあげた。


「ねぇ、いいからっ!」


「突然どうしたの?」


不思議に思いながら、真希が隼人の顔をのぞきこむ。

その様子を光瑠は片眉を上げて見ているのに真希は気付かない。


「いいからっ!チュウ!」

「もぉ……」


突然甘えだした弟を不思議に思いながら、真希はチュっ─と小さく音をたてて隼人の頬にキスをした。



光瑠はそれを見て、
イライラしながら貧乏ゆすりをしていた。


「ダメ!口にっ!」


隼人はそう叫ぶと真希の頬を両手で掴んで、ぶちゅっと口にキスをした。


「んんっ!?」


「なっ…!」


驚いて真希と光瑠は同時に声を上げた。


随分長い触れるだけのキスの間、隼人は光瑠を挑発するようにチラチラと眺めていた。


このガキっ…



「ぷはっ…突然なぁに……?苦しいじゃない…」


と真希が息を整えてる間、隼人は満足そうにニコニコしていた。


そんな隼人をきつい目で光瑠はにらんでいた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ