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近くて遠い

第27章 出発

「待ってます…」


だから


必ず帰ってきて…



「あぁ。」


光瑠さんは強く私を抱き締めた後、私の顎を持ち上げた。



躊躇いがちに光瑠さんが私の唇を見つめた。


周りにたくさん人がいるとか、そんなのはどうでも良かった。


私も光瑠さんの熱い唇を見つめるとどちらからともなく唇が重なった。



寂しい……


傍にいてほしい…


光瑠さんっ…



「ん…」



私は光瑠さんの首に手を回して、離れそうになった唇をより求めた。



1週間は長い…


長すぎる。



「はぁっ…」



唇を離すと光瑠さんは私の額に額をつけた。



「真希…」


困った顔をして私をとても近くで見つめている。



「早く帰ってきてくださいっ…」


そんなこと無理なのに…


気付いたらそう言っていた。


そんな私の頬を光瑠さんは大きな手で触れた。





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