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大きすぎるその声に立ち行く人皆が足を止めていた。

私の言葉を聞いたお父さんは、突然身体を固めると、ふにゃふにゃと地面に手をついて倒れた。



「そんなっ…！そんなっ…」


ずっとそう呟いているお父さんを私は蔑んだ目で見下ろしていた。


自分勝手に消えて
自分勝手に現れたお父さんに対する怒りが止めどなく溢れる。



「お父さんが、

勝手に消えたからよ…」



ワナワナしながら、
私は静かに呟いた。



「あんたのせいでっ…
お母さんはっ……」



「真希様っ…もう帰りましょうっ！」



愛花ちゃんが強く私の腕を掴んで私のお父さんの間に入った。




「愛花ちゃん、どいて…」

目に涙を溜めながら、私は愛花ちゃんを見た。


家族を捨てたどうしようもない男を私はどうしても許せなかった。


もっと罵倒して、
苦しめばいい…


どんなに苦しんだってお母さんの苦しみに及ぶことは一生ないのだから…



「お母様の……


お母様のお言葉を思い出してください……」



愛花ちゃんの言葉に、

私はハッとした。



────────おとうさんのこと……うらま…ないで…あげて……？



「どうして……？」



この男のせいで、

お母さんは死んだんだよ？

ねぇ……