近くて遠い
第4章 決意
「あー…
そうね、でもそれは夕夏を指名したというより、No.1を指名したのよ。」
「……それってどういうことですか?」
「彼は3、4年前からここに通ってるんだけどね、噂によると大切な人を次々に亡くしたらしいわ…。
孤独……なのね。
それを埋めるためなのか、頼むものは全て1番高いやつなの。
ほら、No.1って1番指名料高いでしょ?」
少し心配そうに話す幸ママの話は予想していなかったような内容だったので、とてもびっくりした。
お金を使いに来てる……?
毎日毎日、
翌日生きられるか、そればかり気にして死に物狂いで生きている私とは正反対…
だけど私には愛してくれるお母さんと、隼人がいる…
お金はあるけど孤独な有川様…
そして
お金はないけど決して孤独ではない私。
今の極貧暮らしのままでいいだなんて思ってないけど、お金だけあって孤独なのよりも幸せなの…かもしれない。
「とにかく、
あなたに魅力があるから有川様も指名してくださったのよっ!
やっぱり私の人の見る目は確かだわっ」
悶々考えていると幸ママが明るくそう言ってソファーから立ち上がった。
「そんな魅力なんて……」
「弱気になっちゃいけないわ。
有川様も言ってたけどあなた謝りすぎよ。」
さっきとはうって変わって少し厳しく諭されて、背筋が伸びた。
「すみま……っ、はい…気を付けます。」
また謝りそうになった私を見て幸ママがまた笑った。
「1時ね。
あなたもう帰りなさい。」
夜に動き出すこの街にとって、1時なんかまだまだゴールデンタイム。
それでも病気の母と幼い弟がいることを知っている幸ママはいつも1時に私を帰してくれる。
「いつも、ありがとうございます。」
広いVIPルームの中、
私は幸ママに向かって深く頭を下げたのだった。
そうね、でもそれは夕夏を指名したというより、No.1を指名したのよ。」
「……それってどういうことですか?」
「彼は3、4年前からここに通ってるんだけどね、噂によると大切な人を次々に亡くしたらしいわ…。
孤独……なのね。
それを埋めるためなのか、頼むものは全て1番高いやつなの。
ほら、No.1って1番指名料高いでしょ?」
少し心配そうに話す幸ママの話は予想していなかったような内容だったので、とてもびっくりした。
お金を使いに来てる……?
毎日毎日、
翌日生きられるか、そればかり気にして死に物狂いで生きている私とは正反対…
だけど私には愛してくれるお母さんと、隼人がいる…
お金はあるけど孤独な有川様…
そして
お金はないけど決して孤独ではない私。
今の極貧暮らしのままでいいだなんて思ってないけど、お金だけあって孤独なのよりも幸せなの…かもしれない。
「とにかく、
あなたに魅力があるから有川様も指名してくださったのよっ!
やっぱり私の人の見る目は確かだわっ」
悶々考えていると幸ママが明るくそう言ってソファーから立ち上がった。
「そんな魅力なんて……」
「弱気になっちゃいけないわ。
有川様も言ってたけどあなた謝りすぎよ。」
さっきとはうって変わって少し厳しく諭されて、背筋が伸びた。
「すみま……っ、はい…気を付けます。」
また謝りそうになった私を見て幸ママがまた笑った。
「1時ね。
あなたもう帰りなさい。」
夜に動き出すこの街にとって、1時なんかまだまだゴールデンタイム。
それでも病気の母と幼い弟がいることを知っている幸ママはいつも1時に私を帰してくれる。
「いつも、ありがとうございます。」
広いVIPルームの中、
私は幸ママに向かって深く頭を下げたのだった。