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近くて遠い

第48章 ◇クリスマス特別編◇

オレンジジュースを掲げた隼人がみんなの顔を見る。


「かんぱいするよー!」


その合図に皆がグラスを持つ。


その時───

息を切らせて酒田さんが部屋に入ってきた。



「はぁっ…すみませんっ…お待たせしましたっ」


膝に手をつきながら、息を整え七三の頭を下げる。


「相変わらず遅刻魔だな。それに残念だが待ってない。今お前抜きで乾杯するところだった。」


冷たい光瑠さんの言葉に酒田さんは、そんなぁ…と言いながら、涙目になる。


「ほら、酒田。」


そんな酒田さんに要さんがシャンパンを注いだ。


「関根さんっ…」

「──それ以上近付くなっ…!」


目をハートにした酒田さんに、要さんが慌てるとその場にいたみんなが笑った。


「じゃあいくよーー!




メリーークリスマスっっ!!!!


かんぱぁぁい!!」



「「「 かんぱぁい!! 」」」




チリンチリンと鳴り響くグラスの音は幸せの音。


「真希…」


みんなの様子を微笑みながら、見ていると、光瑠さんに呼ばれて振り返った。

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