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最初で最後の恋

第12章 この気持ちの正体は?

びったーんという音が廊下に響き、俺も女もびくっと体が固まってしまった。


「なっ、なんの音!?」


焦る女とは反対に、俺は恐る恐る扉に近づき、ガラッと教室の扉を開けた。そこにいたのは…

床にべったりと体をつけた女の姿だった。


「きゃあああああっ」


俺のうしろから様子を見にきた女は、悲鳴を上げて反対側の扉から逃げていった。

はだけたままの服で。



馬鹿な女。ま、いーや。 
それよりも気になるのは…目の前にいる女だ。


倒れたまま、俺とばっちり目が合っている。しばしの沈黙と共に、女はむくっと立ち上がった。


体を起こすと、長い黒髪がふんわりと揺れる。見たことない顔だな…経済学部の女じゃないな、きっと。保育学部か。


こちらを見る女の瞳は困ったように泳いでいる。まぁ、ヤッてるところなんか見せられて平気な顔はしてられないか。
 

すると、女は急に頭を下げて…






「あの…す、すいませんでした!!」



  


謝ってきた。

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