テキストサイズ

最初で最後の恋

第17章 柔らかな時間

外に出るとあたりはだいぶ暗くなっていて、あっという間に時間が過ぎたことを感じさせられた。


「そろそろ、うちくる?」


「ん」


あたしたちは手を繋いだまま、家までの道を歩き始めた。車道側を蓮が歩いてくれる。


そんなさりげない優しさがとても嬉しい。


「澪んちとか、自分で言っておいて緊張するな」


「たいしたことないよ?

お母さんもお父さんも仕事でいないから、




ゆっくり話もできると思うし」


あたしの言葉に、蓮はぱっと顔を上げた。

これから家でなにを話すのか、なんとなくあたしが察していたからだろう。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ