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最初で最後の恋

第18章 蓮の過去

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「お母さん!早くーっ」


「待ちなさい蓮。急がなくても遊園地は逃げないから。

まったく…まだまだ子供なんだから」


「そりゃあまだ5歳なんだから、当たり前だろ。ほら、蓮が迷子にならないように行こう?」


そう言って僕のうしろでお母さんとお父さんは手を繋いでた。

僕も嬉しくて2人のもとへ駆けていく。


「僕も手ーつなぐ!」


「甘えん坊ね、蓮は。ふふ」


僕の右で微笑むお母さん。


「よし、まずはジェットコースターに乗るか!」


僕の左で笑うお父さん。


幼いながらも、あの頃の俺には幸せな記憶だった。

幸せだった、はずなのに。

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