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最初で最後の恋

第18章 蓮の過去

不幸は、突然訪れた。



「あなた、またパチンコ!?

ただでさえないお金を切り詰めて生活してるのに…
どうするのよ!!」


そう言って叫ぶお母さん。

俺は居間の扉のすみっこでその姿を見ていた。

悲しそうに泣き崩れるお母さん。
その横で平気な顔をしてるお父さん。


「大丈夫だよ。金は借りてきたし、今度こそ勝ってみせるから!な?」


「借りたって…なに言ってるの…?」


「大丈夫だって!すぐ返せばいいんだから」


けろっとした顔で話すお父さんとは裏腹に、お母さんは絶望的な顔をしてた。

まだ5歳だった俺には、なんの話をしているのかなんて、さっぱりわからなかったんだ。

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