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最初で最後の恋

第18章 蓮の過去

台所に立つ母さんは、どこの家庭とも変わらない姿だと思った。


「俺が高校を卒業したら働くから。

それまで母さんも待ってて」


「ええ、そうね」


母さんはふふっと昔と変わらない笑顔を見せた。


「蓮が卒業したら、お母さんも安心ね」


「ごめんな。俺の学費のためにこんなこと…」


俺が居間で座ったままうつむいていると、母さんは俺の傍に寄ってきた。

そしてぽんっと頭を撫でてくれる。

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