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最初で最後の恋

第18章 蓮の過去

「……」


ガチャッと玄関を開けた俺。
学校が終わって家に帰ると、必ず男がいるからあえてただいまは言わない。


今日もいつものように家に入った。


「なぁ、息子がいるのにヤれるなんて、とんだ変態だなぁ?」


知らない男の声が響く。

違う。俺のために母さんは。


そう言いたくても、飲み込むことしかできない俺だった。


男は次の日の朝帰って行った。

俺は学校の準備をする。


「ごめんね、蓮。

あの人嫌なことばっかり言う人なの」


そう言いながら俺の朝ごはんを作っている母さん。

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